人前でお話しするということ:2019年の記録

引き続き、2019年の振り返り。

 

昨年は人前でお話する機会がとても多い年でした。

 

3月26日 愛知淑徳大学 

    「子どもの本づくりのおもしろさ その重層性」

5月20日 千葉・子どもの本専門店会留府「本を読む子どもたち」1 

    「声と文字のあいだで」

6月17日 千葉・子どもの本専門店会留府「本を読む子どもたち」2 

     「本を深く読む」

7月6日  四日市・子どもの本専門店メリーゴーランド

     童話塾 講師

7月28日 子どもの本研究会 全国大会閉会講演会 

    「本を読むってどういうこと? 子どもの育ちをささえる本」

8月27日 神保町ブックハウスカフェ トークイベント

    「幼年文学おすすめブックガイド200」刊行記念 宮川健郎先生の聞き手

9月13日 千葉・流山市栞の会主催 @中央図書館 

     「絵本から一人読みへ」

9月29日 東京・ひかり文庫主催 @光が丘図書館  

     「読み聞かせから 一人読みへ 誘うブックガイド」 

9月30日 千葉・子どもの本専門店会留府「本を読む子どもたち」3

     「『読書家の時間』を読む」

10月19日 銀座・教文館ナルニア国 トークイベント

     「幼年文学おすすめブックガイド200」刊行記念 宮川健郎先生の聞き手

10月21日 千葉・子どもの本専門店会留府「本を読む子どもたち」4

     「ブックガイドを読む」

11月5日 千葉・鎌ヶ谷市立図書館 

     「子どもの発達とそれをささえる本選び」

11月12日 上野・国際子ども図書館「絵本からヤングアダルト文学まで―児童文学基礎講座」のうち

      絵本を担当「多彩なテーマで幅広い読者をつなぐ絵本の魅力」

11月17日 東京・光が丘 学校図書館を考える会ねりま主催

     「はじめての学校での読み聞かせ講座:低学年」高橋真由美さんと

11月27日 宇都宮 

     「明日の平和を手渡すために、子どもの本ができること」 宇野和美さんと

11月30日 沼津・子どもの本専門店グリム

     「子どもの育ちをささえる絵本〜子どもの本の多様性〜」

 

図書館や地域のボランティア団体の方からのお声がけでお話する機会が増えています。

とくに、子どもの成長とそれに伴って変わってくる選書について、話をしてほしいという依頼が多いです。新しい本の良さ、昔から読み継がれている本の良さ、どちらも伝えていきたいです。

また、昨年は「幼年文学おすすめブックガイド200」(評論社)を刊行したので、その本がらみのお話も多かったです。この分野のブックガイドは本書が初めてと言っていいので、注目されたのでしょう。

千葉の子どもの本専門店・会留府さんでは、4回にわたり、同じメンバーでお話できたことはありがたかったです。様々なテーマを設定して語り合うことができました。

 

地域に呼ばれてお話しさせていただくと、皆さん、とても勉強熱心で、子どもたちの良き伴走者、見守り手でありたいと願って活動されている姿を拝見し、胸が熱くなります。こういう方達に私の作っている本は支えられているのだな、しっかりと本づくりをしないと、と深く思う機会となっています。

 

今年もまた、作り手にお話を聞くトークイベントや年間の新刊を見渡す講演など、いくつか決まっています。

おいおい、HPやブログ、FBなどで紹介いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2019年に手がけた本など

2020年、あけましておめでとうございます。

昨年は全くブログを書くことができず、HPの更新もお知らせページのみという情けなさ。

今年はバタバタと過ごして忘れてしまいそうな、その時々の考えなども書き残していければと思っています。

 

2019年に編集、刊行した本は以下のとおり。


4月

『ひみつのビクビク』フランチェスカ・サンナ作 なかがわちひろ訳 廣済堂あかつき

12月3日のシャンティ国際ボランティア会のイベントで紹介されました。

 

6月

『ドーナツのあなのはなし』パット・ミラー文 ヴィンセント・X・キルシュ絵 金原瑞人訳 廣済堂あかつき

東京子ども図書館の「こどもとしょかん」で紹介されました。

 


『とねりこ通り3丁目 ねこのこふじさん』山本和子作 石川えりこ絵 アリス館

「婦人之友」の連載童話を愛読していたので、ぜひ単行本化したいと企画書にまとめて、持ち込みました。作家、画家、版元編集、デザイナーの「チームこふじさん」でアイデアを出し合いながら作った本です。


『ひとりでよめたよ! 幼年文学おすすめブックガイド200』大阪国際児童文学財団編 評論社

編者の宮川健郎先生、土居安子先生との選書についての話し合いから始め、65名近くの執筆者に解題を書いていただいてやっと出来上がりました。8月にブックハウスカフェ、10月に教文館ナルニア国で宮川先生と一緒にトークイベントをさせていただきました。

年明けには、大阪の丸善&ジュンク堂梅田店でフェアが開催されます。2月1日には宮川先生と土居安子先生のトークイベントが開催されます。是非に!

 

7月

 

『てつだってあげるね、ママ!』ジェーン・ゴドウィン&ダヴィーナ・ベル作 フレヤ・ブラックウッド絵 小八重祥子訳 きじとら出版

いたばし国際絵本翻訳コンクール英語部門大賞。やまねこ賞絵本部門4位に!

 

9月

 

「すてきってなんだろう?』アントネッラ・カペッティ 文 メリッサ・カストリヨン 絵 あべけんじろう あべなお 訳 きじとら出版

いたばし国際絵本翻訳コンクールイタリア語部門大賞。独特の画風で人気の新進絵本作家メリッサ・カストリヨンの注目作。

 

11月

 

『くろはおうさま』メネナ・コティン文 ロサナ・ファリア絵 宇野和美訳 サウザンブックス

クラウドファウンディングで刊行された点字付き絵本。イラストも樹脂インクでプリントされていて、触って楽しむ絵本になっています。点字訳や印刷について、「NPO法人てんやく絵本ふれあい文庫」の岩田美津子先生や「点字つき絵本の出版と普及を考える会」の方々などたくさんの方に教えていただきました。

 

『月でたんじょうパーティーをひらいたら』ジョイス・ラパン文 シモーナ・チェッカレッリ絵 原田勝訳 廣済堂あかつき

ストーリーとノンフィクションの重ね具合がなかなか面白い絵本です。国立天文台の縣秀彦先生に監修をお願いしました。

 

 

『おやすみ、ミユキ』ロクサンヌ=マリ・ガリエズ文 セング・ソウン・ラタナヴァン絵 桜庭一樹訳 岩崎書店

桜庭一樹さんが旅先で見つけてきた絵本。1月23日にブックハウスカフェで、桜庭さんにお好きな絵本のことを伺うトークイベントをします。

→https://www.iwasakishoten.co.jp/news/n32896.html

 

昨年は9冊の本を手がけることができました。

 

他に、「絵本のいま 絵本作家2019-2020」(玄光社MOOK)→http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=19617

で、飯野和好さんインタビュー、絵本・このところ、絵本とバリアフリーの3本の原稿を執筆。

 

「明日の友」(婦人之友社)初夏号で江川紹子さん+小原玲さん、秋号で角野栄子さん+中村桂子さんの対談のまとめをしました。

 

今年も読んで、編んで、書いていきたいと思います。

 

 

 

3月21日は「世界ダウン症の日」

3月21日は「世界ダウン症の日」。2014年に国連で国際デーと定められました。

ダウン症のある人の多くは21番目の染色体が3本あることから、3月21日に制定されたのだとか。

この日を中心に春にかけて、関連イベントが日本各地でも開催されます。

写真展やアート展、一緒に過ごすイベントなど、それぞれの地域で活動する会が中心となっているようです。

こちらのサイトで紹介されていますので、ぜひご覧になってみてください。

 

私も、3月20日18時半から 神保町ブックハウスカフェにて開催される「世界ダウン症の日 関連イベント」に出かけます。

イタリアでベストセラーになった『弟は僕のヒーロー』関口英子さんと、スペインの人気絵本作家グスティが描いた『マルコとパパ』を訳された宇野和美さんのトークショーに聞き手として参加するのです。

ここ1、2年の間に刊行された障害のある人たちを描いた本を紹介しつつ、スペインやイタリアでの障害児教育などはどうなっているのか、お二人にお聞きします。

 

5年前くらいから、障がいについて書かれた本のブックガイドの見直しをしていて、いろいろな本を意識して読んできました。翻訳児童書では、様々な障がいや生きづらさを抱えた子どもや少年少女が主人公の本が訳されるようになりましたし、絵本でも書かれるようになっています。ここ1、2年、日本で刊行される本も以前のものとは違ってきたように思えます。障がいの「当事者」と共に暮らす人の目で捉えられた「障がい」のあり様や、それが周囲に及ぼす影響についてナチュラルに書かれるようになってきました。そのような流れを考えながら、イタリアやスペイン語圏の様子をうかがいたいと思っています。

 

私自身は、滋賀にある止揚学園に中学生の時にボランティアに行っていたり、信楽青年寮の人たちの展覧会をみに行ったりして、

障がいのある人の姿を身近に感じていました。

滋賀は古くから障がい児教育に力を注いだ方たちがいて、地域の中で暮らす様子を見ることが多かったのだと思います。小さかった頃、ちょっと怖いところもあったけれど、みていてすごく面白かった。中学生の時も、教室にいる時より、学園にいた時の方が笑っていたかも。なんでかなあ。

写真はそんなことを思い出しながら、ここ数日、読んでいる本たち。

 

20日のイベントは、まだお席があるようです。

マルコとグスティの動画やジャコモとジョヴァンニが作った動画を見たり、英米以外の言語の翻訳の面白さと大変さなど、

様々な切り口で関口さん、宇野さんにお話ししていただいたりします。ぜひ、いらして下さい。

 

 

 

 

「子どもの本この1年を振り返って 2017年」講演、終わりました……

当日配布れたレジュメとリスト3月12日、13日は公益財団法人図書館振興財団が毎年開催している「子どもの本この1年を振り返って」という会に参加しました。1年間に刊行された子どもの本(赤ちゃん絵本からYAまで)から注目作を、絵本、フィクション、ノンフィクション、ヤングアダルトの分野に分けて、それぞれ選書をしてきた方が紹介します。1日で、新刊の総ざらえができるので、学校図書館や公共図書館関係者、読み聞かせボランティアの方達に重宝されている会です。

今年は、第2部の講演を担当したので、初めて参加しました。今まで「図書館の学校」という冊子で拝読するだけだったで、これだけ密度の濃い内容だとは知りませんでした。日本子どもの本研究会・絵本研究部、児童図書館研究会、科学読み物研究会、全国SLA学校図書館スーパーバイザーの方がそれぞれ1時間、この選書リストを元に、この1年の動向や手に取りたい本についてお話されます。皆、新年度の選書に関わる内容なので、とても熱心に聞いていらっしゃいました。

 

「図書館の学校(図書館振興財団友の会)」の選書会などで「誰に向けた本なのかわからない」「子どもにわかるとは思えない表現の本が増えてきた」「子どもの本の編集についてお話を聞きたい」という声が上がり、知り合いだった私に思うところを自由に話してくださいという依頼があり、今回、講演をすることになった次第。それで「かっこいい本を作るのなんて、簡単だ! 子どもの本を編集するということ」というタイトルで2回、お話ししました。

 

写真は、当日のレジュメと私の編集した本のリストなどです。フリーになって17年。この機会に、事務局の方がまとめてくださいました。もう、いきていない本もありますが、ホームページで少しづつ紹介できればと思っています。

 

最近の絵本やイラストレーション、大型の博物学的な図鑑絵本などの「かっこいい」「デザインの洗練された」本が、どうして、今、たくさんの人に手に取られるのかをdesignとcreateという単語を使って考察し、視覚表現に絡め取られて、思考停止にならないよう、かかれていないものをきちんと見ることが大切ではないかと問題提起しました。本を読むときに、批評的、複眼的視点を持つことの重要性を伝えたかったのです。

 

また子どもに向けた表現で、最近の本で突出していると思った本も紹介しました。

「ここがすき」きたやまようこ こぐま社

「おさるのよる」いとうひろし 講談社

「ながいながい骨の旅」松田素子文 川上和生絵 講談社

「いっしょにおいでよ」ホリー・M・マギー文 パスカル・ルメートル絵 なかがわちひろ訳 廣済堂あかつき 

 

当日、岩瀬成子さんの幼年向きの本について、「主人公は2年生だけれど、この内容の機微がわかるのは、もっと大きな子ではないか」などと紹介されていたので、「子どもがわかる」というのはどういうことなのか。「子どもがわかっていると外から見てわかることができるのか」ということもちょっとお話してみました。

私は、この「子どもにわかる」「わからない」という視点をもっと丁寧に考えないといけないなと常々思っています。岩瀬さんの幼年文学は、「わかる」「わからない」ではなくて、この作品は日本の幼年文学の土壌をどれだけ豊かにしているか、この本に表現されている気持ちを持つ子、そういう気持ちに気づく子がいた時に、たどり着けるものとして、こういう本が出版されていることの大切さをもっと、深く感じて欲しいのです。

また、いとうの「おさる」シリーズでも、簡単に「子どもの哲学」なんて言葉でわかったようなふりをしないで、ここに書かれていることにきちんと向き合ってほしい。これは幼児期に呟かれる、世界への驚きから発せられる子どもの「問い」、例えば「空はどこまでが空なの?」といった類の問いを、物語の中に溶け込ませ、その問いに真摯に向き合うことで紡ぎ出された思考を、子どもの肌感覚で捕まえられる言葉だけで綴ったものだと思います。これも子どもがすぐ「わかる」ものではないかもしれない。けれども、子どもはそれを「感じ」、心の底に沈めることはできるのです。

また、雑学的な科学の本が増えているというお話もあったので、「ながいながい骨の旅」やニコラ・デイビス「ちっちゃな ちっちゃな」や「いろいろ いっぱい」のような、知識を物語の中に溶け込ませた科学絵本と、子どもの受容の仕方が違うこともお話しました。これも、すぐに「わかる」か「わからない」か、という問題につながるものだと思います。

 

最後の方は駆け足になってしまい、今回1時間にしては、内容を詰め込み過ぎてしまったかと反省。でも、子どもたちに本を手渡すお仕事をしている方たちに、目の前の子どもの姿とその子の成長の先の姿、その両方を見定めながら、本を読んだり、選んだりして欲しいと切に思いながら、お話ししました。

普段当たり前に本を読んでいるのだけれど、その「当たり前」を疑い、問い直す契機にしてもらえたら。

 

お話しした骨子は「図書館の学校」2018年春号に掲載される予定です。図書館などで所蔵しているところがあると思うので、気になった方はご覧になってみてください。

 

2日間に渡り、のべ180名の方が参加されたそうです。

お話を聞きに来てくださった方、当日まで細やかにご準備してくださった事務局の方、このような機会をくださった方に御礼申し上げたいと思います。

 

 

戌年の本いろいろ

としょかん通信ぷらすあるふぁ2018年1月号 

 

 1月も半ばを過ぎましたが、毎年、干支にちなんだ本をSLA(全国学校図書館協議会)が刊行している「としょかん通信 ぷらす・あるふぁ」という冊子に紹介しています。巳年から書きはじめたので、今年で6年目。

 「ぷらす・あるふぁ」は中高生向けと小学生向けの二つの冊子があるのですが、干支の本の紹介は両方の冊子に掲載されるので、小学生から高校生までを対象にした本を選ばなくてはなりません。また、ブックトークの要素を持った原稿なので、本を紹介する「流れ」が大切です。その「流れ」を掴むために、何冊も何冊も本を机に積み上げて考えるのが、苦しくも楽しいところでしょうか。

 今年は、多文化が冊子の裏テーマになっているので、それを意識しながら以下の本を紹介しました。

 

 『カランポーのオオカミ王』ウィリアム・グリル作 千葉茂樹訳(岩波書店)

 『オオカミから犬へ! 人と犬がなかよしなわけ』

  ハドソン・タルボット作 真木文絵訳(岩崎書店)

 『走れ、風のように』マイケル・モーパーゴ作 佐藤美果夢訳(評論社)

 『いぬとねこ 韓国のむかしばなし』

  ソ・ジョンオ再話 シン・ミンジェ絵 大竹聖美訳(光村教育図書)

 『犬になった王子』チベット民話 君島久子文 後藤仁絵 岩波書店

 『コヨーテのおはなし』

  リー・ペック作 ヴァージニア・リー・バートン絵 安藤紀子訳(長崎出版)

 『コヨーテ老人とともに アメリカインディアンの旅物語』

  ジェイム・デ・アングロ作・画 山尾三省訳 (福音館書店)

 

 オオカミから犬へ、人とともに暮らすようになった姿から、ネイティブアメリカンやメキシカンの民話のトリックスターでもあるコヨーテまで紹介してみました。

 

「としょかん通信」は図書館によく貼ってある、壁新聞みたいなものです。

それを注文すると司書の方の資料として、「ぷらす・あるふぁ」という冊子がついてくるのです。毎月、なかなか面白いテーマの壁新聞が届くのですよ。

 ご興味を持たれた方は、こちらのサイトへどうぞ。

 

ブログ、はじめました

読んだり、考えたりしたことの忘備録として、ブログを始めることにしました。

ときたま、イベントや講演会のお知らせなども。

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